『てんてんてんまり てん手まり』の歌い出しから始まる、
毬と殿様という童謡がありますね。
この歌って、一体どんな意味が込められているんでしょうか?
実は、ほのぼのとした雰囲気のこの歌詞には、
なんと思いもよらぬ恐ろしい意味が込められているんだとか!
そこで今回は、毬と殿様とはどんな歌なのか、
歌詞の意味について解説します。
毬と殿様ってどんな歌?全歌詞紹介♪
手毬唄とされる毬と殿様は、
どんな歌なのか知らない人もいますね。
実は筆者もあまりよく知りませんでした…。
そこで、まずは毬と殿様の歌詞を紹介していきます。
1 てんてんてんまり てん手まり
てんてん手まりの 手がそれて
どこからどこまで とんでった
垣根をこえて 屋根こえて
表の通りへとんでった とんでった
2 表の行列 なんじゃいな
紀州の殿様 お国入り
きんもんさき箱 ともぞろい
おかごのそばには ひげやっこ
毛槍をふりふり ヤッコラサの ヤッコラサ
3 てんてんてんまり てん手まり
はずんでおかごの やねの上
もしもし紀州の お殿様
あなたのおくにの みかん山
わたしにみさせて くださいな くださいな
4 おかごはゆきます とうかいどう
とうかいどうは 松なみ木
とまりとまりで 日がくれて
一年たっても もどりゃせぬ
三年たっても もどりゃせぬ
もどりゃせぬ
5 てんてん手まりは 殿様に
だかれてはるばる たびをして
きしゅうはよいくに 日の光
山のみかんに なったげな
赤いみかんに なったげな なったげな
念のため、毬と殿様を歌っている動画のURLも貼っておきますね。
毬と殿様 歌の意味をわかりやすいように解説♪
歌詞を見ると、毬つきをしている子供がいて、
力加減を間違えて、毬が表の通りまで飛んでいき、
ちょうどそこを通りかかっていた大名行列の、
お殿様の乗る駕籠(かご)に当ってしまった、
というイメージが浮かびませんか?
実はこの歌には、以下のような意味があるのではないか?
と解釈ができるんです。
ある村で子供が毬つきで遊んでいたが、
毬が弾んで通りすがりの大名が乗った駕籠の上にのってしまいます。
子供は無邪気に毬を取ろうとして、
大名行列に近づいていきますが、昔は身分制度が厳しく、
庶民がうかつにお殿様に近づくなんて許されなかったんです。
でも子供はそんなことも知らずに、
大名行列に近づいてしまったため、
『無礼者!』とお供の侍に手打ちにされ、
切り捨てられてしまいます。
当時は幼い子供にも容赦なかったんですね。
すると、子供の魂は毬に乗り移り、
自分が死んだことに気づかないまま、
駕籠の上、もしくは毬は殿さまが手に持った状態で、
あちこちを旅することになりましたとさ…。
童謡って怖い意味が込められている、
という話をよく聞くので、この解釈もあり得そうですよね。
また、もう一説によると、
毬を殿様の駕籠に当ててしまった女の子は、
美少女であったことからその場で切り捨てられずに、
殿様に見初められて、幼いながらも妻(側室)に迎えられます。
そして、殿様の住んでいる紀州に連れて行かれ、
そこで赤ちゃんを産んだのではないか…。
歌詞の最後にある、『赤いみかんに なったげな』というのは、
殿さまの赤ちゃんを産んだという意味ではないか、
と解釈できるんですよ。
いずれにしろ、毬つきをしていた子は、
歌の途中で毬と表現されるようになっていますね。
でも、殿様に見初められて赤ちゃんを産む、
という意味の方が、個人的にはまだ平和な気がします。
ちなみに、どちらの説もあくまで仮説。
あなたはどちらの意味が正しいと思いますか?
まとめ
毬と殿様という歌は、毬を殿様の駕籠に当ててしまった女の子が、
切り殺されてしまうか、見初められて側室になる、
という2つの説がささやかれているんですよ。
どちらもとても興味深い意味ですね。
でも、どちらも結構小さい子に説明するのはハードなので、
もしお子さんに歌詞の意味を聞かれたら、
『毬が殿様と旅をするお話だよ』と言ってあげましょう!